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ミルクへ
ミルクへ
お前にこのようなものを残してしまうのは、酷なことなのかもしれない。それでもどうしても、伝えておきたいことがあったのだ。許せ。こういったものはほとんど書いたことがない。読みにくかったらすまないな。
あの王国を出て、随分と時間が経った。こんなにも穏やかな旅をしたのは初めてで、特に目的があるわけでもないのに、毎日時間が過ぎるのが早くて驚いている。立ち寄った町の中には以前訪れた場所もあったが、その時には見えていなかったものが見えて、まったく新しい場所のように思えたものだ。
しかしオレにとっては有意義な時間でも、お前にとったら退屈ではないかと思った時もあるが、どこへ行ってもお前は楽しそうだから、その点は心配いらなさそうだ。特に何かを食べている時のお前は本当に幸せそうで、見ていて飽きない。まあ、食べ過ぎには注意しておけ。
オレにとって太陽は救いだった。幼き頃から、ずっと。だから再びこの目で見られるようになったことが、幸せで堪らない。
そして、それと同じくらいに、…いや、きっとそれ以上に、お前という存在には助けられた。本当に感謝している。
お前の笑った顔が好きだ。オレを救ってくれたその太陽のような笑みを、いつまでも忘れないでいてほしい。
お前の行く先に幸多からんことを。
ダークチョコより
いつかまたお前に会いたい
(by sakae)
END
(22-09-20初出)
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