寝ても覚めてもあたたかい

※無断転載・AI学習を固く禁じます。
 まだ夜も明けきらない頃、アッシュはふと目を覚ました。
「……ガキみたいな顔しやがって」
「ん〜……」
 すぐ近くにあった寝顔に、思わずそう漏らす。つん、と頬をつつくとルークが体をよじった。しかし目覚める気配はない。しばらくすると、再び規則正しい寝息を立て始める。
 まあ、まだ早すぎるか。アッシュも二度寝しようと布団を手繰り寄せる。
「あ」
 思いのほか力が入りすぎたようだ。しまったと思った時には、ルークの肩に掛かっていた布団がずり落ちていた。
「……アッシュ…?」
 うっすらと目を開いたルークと目が合う。悪い。そう告げようとしたアッシュだったが、突然抱き寄せられてしまった。
「ん、おやすみ」
 ふにゃりと笑ったまま、ルークは目を閉じてしまった。少しして、耳に入ってきたのはやはり規則正しい呼吸音。
「……俺は抱き枕じゃねぇよ。馬鹿」
 悪態をつきながらも、心地好い温もりに悪い気はしない。そうして再びアッシュも、眠りに落ちていった。
(by sakae)


END
(07-10-12初出)
タイトルが行方不明になったので改題。

送信中です

×

※コメントは最大3000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!